2021年12月25日土曜日

 

クリスマスイブ

平日だから、娘は保育園で
夫は仕事、私もアルバイトがあった。

アルバイト先はデパ地下の和菓子コーナーの中の焼き芋屋だから
ケーキ屋さんの賑わいを横目に見る感じで時間が過ぎていった。
とはいえ年末でもあるから、
年始の挨拶用だったり、帰省の際のお土産を探している人たちもいて
発送の受注を受けたりとなんだかんだとそこそこ忙しい。

忙しい合間に、お芋が美味しく焼けるとそこで心が癒される。

男子高校生が3人やってきて
ひとり1本ずつ小さめのお芋を選んで買っていったのがとても可愛らしかった。
3人で分けられるように1本おまけをつけた。

ここのところは人が足りなかったから残業をして、
保育園のお迎えぎりぎりに帰っていたけれど
それだと昼ごはんも食べていないし、ひと息つく時間がどこにもなくて
休みがないことの積み重ねで耐えていたものは
プラスでちょっとの負担がかかってきたときに、どしゃ〜っと爆発する。
無敵じゃないし、体力も無限じゃないから、こういうことはもうやめだ。
(なんで最近イライラしていたか今わかった)

今日は15時きっかりに上がってきた。気分がいい。


帰りの地下鉄ではばななの短編集を読みすすめて。


電車を降りて、自転車を拾い、家まで帰る途中、スーパーに寄って
クリスマスプレゼントを包むための包装紙やリボンを買う。
 
家に帰ると玄関先に注文していたものたちが届いていた。

娘の絵本と新しいシーツ。


娘は保育園にサンタクロースが来てくれたみたいで
迎えにいったら「サンタさん、外にいっちゃったね」(みんなにプレゼントをくれて帰っていった)
と繰り返し言っていた。

クリスマスパーティーは明日する予定だけれど
なんとなくクリスマスっぽいこと、と思い
冷蔵庫にあったカブでポタージュスープを作り、ハンバーグも作って晩ご飯。

娘がスープをこぼしながらもぐびぐび飲んでくれて嬉しかった。
夫もスープもハンバーグも美味しいと言って食べてくれた。

お風呂に入って寝かしつけをしたらそのまま眠ってしまって
夜中に起きて、いそいそと娘のクリスマスプレゼントを包む。

夫にも秘密で用意していたものを包み、
自分に何もないのは寂しいな、と思い、何かないかなと探して
注文して届いたけれどまだ封を開けていなかったアロマオイルを包み
3つ枕元におく。

乾いていた洗濯物をごっそりとたたんで片付けて、今日が終わる。

まだ眠るのはもったいないから
お菓子を食べながらお茶を飲んで、これを書いてる。





サンタさんは空を飛んでいるかな。






2021年12月23日木曜日

 

吉本ばななさんの新作が出ていると知って
アルバイトが終わったあと、本屋さんに駆け込む
(アルバイト先は繁忙期だから少し残業して、
娘の保育園のお迎えが迫っていたから本当に駆け込んだ)

駅の構内にある本屋さんへいくと見当たらなくて
店員さんに声をかけたら検索してくれた

「ここにはない」と言われて「取り寄せたら明後日」と言ってくれたけれど
また走って、少し離れたところにある別の本屋さんへ行くと
新刊の棚に2冊残っていて、1冊手にとってレジへ向かった。

それは一般的なハードカバーの本とちょっと形が違ってて(真四角に近い感じ)
ばななさんが今まで出した本の、パトリス・ジュリアンさんとの往復書簡本
「News from Paradise」をパ〜っと思い出した。
あの本、好きだったなぁ。ばななさんがお子さんを出産されたばかりの頃の。
あの本を読んでいた時の空気感まで、今身近に迫ってくる。


レジで接客してくれた店員さんは

「形が少し特殊なんで、カバーを折り直しますね。少しお待ちくださいね」
と言って、本に合わせて書店の紙カバーを降り直してくれて
「パッと折り直したから、もし気になったらまたおうちで丁寧に折ってみてください」
と言って渡してくれた。

本を抱いて改札を抜けて、やってきていた地下鉄に駆け込んで
席に座って早速本を開く。

短編集。

家の最寄駅に着くまでの間に
はじめの1話を読み終えた。


なんてことのない話のようなのに
ふわぁ ふわぁ と よきものが入ってきて
読み終えたあと、じんわりとして、涙が出てきた。





2021年12月17日金曜日

 

今朝、娘を自転車に乗せて
娘の体に薄手のブランケットを巻いている時
(ここのところ朝は寒いから、保育園へいく時はいつもそうしてる)
娘が私の顔を見つめてるので見つめ返すと

娘が口もとを 言葉を探すようにしてもごもごっとしたあと
不意に
「いつもありがと!」と言った。

私は驚いてしまって、なんて返事をしたか思い出せない。

いつもって?ありがとうって、毛布のこと?

驚いた。

1歳半の娘。ちいさな体の中に
当てはまる言葉が見つかれば出口になって出てくるような
たくさんの気持ちがあるのかもしれない。

娘の発する「ありがとう」はとてもかろやかで
ぱっとひらいた花みたいな
不意に差し込む光みたいな感じで

発された瞬間にふわっと消えてる

寄りかかってこない

その瞬間から少しもはみださない

ありがとうはこちらこそだよ