春分の日は、風が強くて
翌朝目が覚めたら、屋根の上に雪が積もっている
保育園へ行く前に自転車に積もっていた雪を
ちいさな雪玉にして娘に渡すと
どこに置いておこう、となって玄関先の花鉢の横に小さな手で置く
「あったかくなったら溶けちゃうかもしれないね」
と娘が言う
娘を後ろに乗せて
自転車を漕ぎ始めても 小さな霰のような粒がぽつぽつ
不思議な天気の日
・
鴨川沿いを自転車漕いで、アルバイトに向かうとき
中洲で濡れた枯れ草が倒れているのを見ると
その荒涼とした感じが実家近くの川の様子に似ていて
じわっと嬉しかった
アルバイト先には初めて会う、入ったばかりの女の子がいて
29歳と聞いているその子はハツラツとしてた
29歳の頃って何していたかなぁと思い返して
ずっと前みたいな気もするけど チラッチラと蘇る景色もあって
時間は距離だなって思う
星の光と同じ
29歳の自分と今の自分 距離があるけど 同時にいる
『麦ふみクーツェ』でクーツェが言っていたみたいに
(とおい ちかい は きょりのもんだい)
・
夕方 娘を保育園に迎えにいって
自転車での帰り道 電話が鳴って 自転車を停めて電話に出る
4月から、娘が幼稚園のあとに使う延長保育の手続きで
まだ降りてなかった認定があるから、問い合わせの電話をしていた
その折り返し
提出書類に書き漏れがあったとのことで、口頭で伝えて、無事に受領してもらえた
4月1日から利用できるとのこと
電話越し 担当の方の声が優しかった
娘のことで会う人は みんな私のことを「お母さん」って呼ぶ
小児科の先生や看護師さん
役所の子育て担当の職員さん
娘からの「お母さん」は水のようにもう体に入ってるけど
大人から「お母さん」と呼ばれるのには今もまだ少しびっくりする
・
家の近所のスーパーへ寄って
娘は大好きな警備員のおじちゃんと会えてハイタッチしてぎゅーっとしてもらってた
お刺身、牛乳、お豆腐、お水、苺、鶏肉、菜の花、茗荷、きゅうり、
チューブの生姜、チューブのにんにく、玉子、焼き芋
100円ショップで娘はヘアゴムとステッキ型のプラケースに入ったガム
私は石鹸ネット
買って帰って
晩ごはん
娘は塩むすび(何も入れず、海苔も巻かないのが好きらしい)ふたつ
コーンスープでお腹いっぱい
大人は豚汁と、お刺身と、漬物と、菜の花の胡麻和えとミニトマトとご飯
とろろをすろうと思ってたけど忘れてた
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